aqn_のブログ

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「(国民年金よりも)圧倒的に不利な厚生年金」という話について

 厚生年金が国民年金よりも圧倒的に不利というのはそのとおりですが、あまり理解されていないと思われるので解説します。 

 年金はざっくり言うと労働収入が得られなくなったときのための保険です*1。確か次の3つで全てだったと思います。

・65歳になってからもらえる老齢年金(多くの人が年金と聞いて思い浮かべるのはこれ)

・傷害を負ったときの障害年金

・夫が亡くなったときにもらえる遺族年金

 

 年金は保険の一種です。国民年金は保険料に比べて保障が非常に分厚いです。基本ぼったくりな民間の保険とは大違いです。

 年金にはいくつか種類があって、加入者が多いのは厚生年金と国民年金です。厚生年金はサラリーマンの年金で、国民年金は自営業などの年金です。

 厚生年金には1階建て部分と2階建て部分があります。1階建て部分は最低限の収入を保障した基礎部分です。2階建て部分は収入の多い人の収入をより多くするための報酬比例部分です。厚生年金の基礎部分は国民年金の基礎部分と似たようなものだと思います。この部分は美味しいです。一方報酬比例部分はゲロマズです。保険というよりは税金です。厚生年金は、保険と所得の再分配の機能を抱き合わせしたものとなります。

 

 厚生年金は、インフレが無い場合は95歳まで生きないと元が取れません。橘氏の発言はそのことが念頭にあったと思われます。元本割れさえしなければいいという話ではないということについては別の記事で解説します。解説しました。http://aqn1.hatenablog.com/entry/2019/06/14/191543

 

 厚生年金にも良いところはあります。国民年金の場合、障害の度合いが3級の場合は障害年金の受給資格を満たしませんが、厚生年金では満たします。基礎部分はなく報酬比例部分のみとなります。ただし3級の障害年金の場合、最低受給額が定められており、低所得者の場合、この最低受給額が生きてきます。低所得の厚生年金加入者は、老齢年金が不利になるデメリットの代わりに、障害年金の保障でメリットを享受するわけです。

 

 社会保険料の会社負担分を事実上の本人負担と見なすか否かについては見解が分かれていると思います。橘氏は前者と思われます。私も前者の立場です。

aqn1.hatenablog.com

 

*1:労働収入が得られなくなったときの保険としては、年金の他に健康保険の傷病手当金や失業保険の失業給付などがあります。